2012年4月21日土曜日

町に生きる


地元に愛着が全く無かった頃
群馬に町なんてないと思っていました

どこへ行ってもつまらない
群馬なんてつまらない

東京・海外・沖縄…

巡りめぐって帰ってきた場所は群馬でした
そして今の旦那さまと出会い結婚
思えば群馬を出たその時からずっと居場所を探し続けていました

生まれた土地に生きることは幸せです
今度はその地に感謝し少しずつでも恩返しをしていけたら
そんな想いで今お店をやっています

すもの食堂は高崎のまんなか、田町通りにあります

田町通りには昔ながらのお店があり
通りからは見えないところに立派な蔵もたくさん

近くには、中央銀座通り・南銀座通り・慈光通り・本町…
それぞれの道にそれぞれの町がある

どんなに小さなところにも町はあって
人が生き、想いが佇んでいる



それでも、
じわりじわりと町が消えている

古い建物が取り壊され駐車場へ
町がただ素通りされる道へと変わる
息づかいが消える

丁寧に作られた昔の建物は壊してしまったらもう二度とつくれないものもある
なにより、その町とともに歩んできた重みは何者にも代え難い

古いものを持つというのは本当に大変なこと

すきま風が入る、ほこりが落ちる、掃除も大変だし、やたらと大きかったりもする
修理代、維持費だけで新しい家が建つんじゃないかと思うほど
それを管理するのは持ち主で
個人で抱えていくにはあまりにも大きな負担
何か良い方法があればいいのだけれど
蔵BANKとか出来ればいいのに…


実は今日、
すもの食堂からほど近い一棟の蔵が取り壊される予定でした
とても大きな立派な蔵です。通りには店舗が面しています

身体が震えました

町が消える…

先月まで営業していたすもの食堂の店舗は今はシャッターが閉まっています
かつて画廊や絵画教室をしていた珍竹林さんも昨年店を閉じました

それでも、そこに建物がある限り息を吹き返せる

お願い!壊さないで!!

あまりにも勝手な願いです
だってその負担を背負う事は出来ないのですから
ただ経過を見て話を伺う事しかできませんでした

直前の直前で私たちの想いをぶつけてくれる方がいて
話し合いの結果、前日で取り壊し中止が決定
そちらの店舗活用に関しても皆で考え、良いカタチで残せるよう進めていくとのこと

大きなひとつではもう成り立たない
小さな力がたくさん集まって町となる

そのひとつの小さな力にわたしたちもなっていきたい

今朝、その蔵の持ち主とすこしだけ話をしました
とても穏やかで、うれしそうな優しい笑顔
建物のなかも見せてくださいました
その方は娘程年の離れた私に向かい“これからもよろしくね”と

その場所を残したいと一番に望んでいたのはその方です
どれほど悩み苦しみ、取り壊す決断をしたのでしょう
そして、
“残す”という決心をしてくださった
本当にありがとうございます

こちらこそ、
よろしくお願いいたします


(tomo)



今のすもの食堂がある店舗からみえる田町通りの風景です




3 件のコメント:

  1. とても良い話だね。
    どんなものとも変えることのできないもの。
    かけがえのないものを壊すと言うことは、戦争と同じ。

    知恵が浮かばないからと駐車場にしてしまうのは、後の世代に申し訳が立たない。

    大事に丁寧に、そして少し急いで考えて行こうね。

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  2. 良かった。まずはとにかくそう思う。そして活かしていこう。生かして行こう。イカしていこう!

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  3. 一人ではどうしようもならない事でも
    たくさんの力を合わせれば解決できることもありますね

    これからもよろしくお願いいたします

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